当院では、従来のERA検査に加えて、EMMA検査、ALICE検査を導入しました。これまでのERAと同一周期、同一検体で実施が可能となり、1回の検査で、ERA+EMMA+ALICEが同時に実施可能です。これまで流産を繰り返されている方、体外受精の胚移植反復不成功の方、流早産既往のある方は、ぜひご検討下さい。
EMMA~エマ~(子宮内マイクロバイオーム検査)とは?
EMMA(Endometrial Microbiome Metagenomic Analysis)~エマ~検査とは“子宮内膜マイクロバイオーム検査”と呼ばれるもので、子宮内の細菌叢をみる検査です。最近の研究では、子宮内腔の細菌叢のバランスが崩れると、妊娠率や出産率が低下、またARTの治療成績不良にも関連すると言われています。特に、乳酸桿菌ラクトバチルスレベルの低下が、不妊症の一因となっていることが示唆されています (Moreno et al. Am J Obstet Gynecol, 2016) 。
EMMA(子宮内膜マイクロバイオーム)検査では子宮内膜の細菌の種類と量を調べ、子宮の細菌環境が胚移植に最適な状態であるかどうかを判定することができます。子宮内の乳酸菌割合を上げると着床・妊娠率が上昇します。
EMMA検査の目的
- 子宮内膜の細菌の種類と量を測定し、バランスが正常かどうかを調べられます。
- 子宮内膜の乳酸菌の割合は着床・妊娠率に大きく関わります。
- 子宮内環境を改善する(乳酸菌の割合を上げる)事により、着床・妊娠率が向上します。
このような方へお勧めの検査です。
- 着床しやすい子宮内環境を整えておきたい方
- 今後の治療プロセスで、自分の子宮内膜の状況を調べておきたい方
- 乳酸菌が優位でない場合には、適切な治療の提案がされます。
ALICE~アリス~(感染性慢性子宮内膜炎検査)とは?
ALICE(Analysis of Infectious Chronic Endometritis)~アリス~検査とは“感染性慢性子宮内膜炎検査”で、子宮内の細菌の中で特に慢性子宮内膜炎(CE)の原因となる細菌を検出します。CEは不妊症女性の約30%に見られ、習慣性流産(いわゆる不育症)を引き起こしている患者に関してはその数は60%に及ぶとも言われています。慢性子宮内膜炎(CE)では、細菌が子宮の基底層にまで入りこんで慢性的な感染、炎症が起こっています。基底層は月経ではがれない部分のため、自然に治ることはないとされています。この検査では微生物学的レベルで子宮内膜を評価し、慢性子宮内膜炎の患者様の妊娠成績、生産率向上を目指します。
ALICE検査の目的
- 慢性子宮内膜炎は細菌感染によって起こり、不妊症・不育症の原因の1つになることから、原因を追求します。
- ALICE検査では、従来の方法では特定できなかった慢性子宮内膜炎の病原菌を検出できます。
※慢性子宮内膜炎は不妊症患者の約30%、習慣流産(不育症)や着床不全患者では約66%が罹患していると言われています。
このような方へお勧めの検査です。
- 体外受精をしたが、なかなか着床しない、または早期流産を経験された方
- 慢性子宮内膜炎と診断されて、適切な治療をしたい方
- ALICE検査では、検出された病原菌に対する治療に必要な抗生物質やプロバイオティクスが提案されます。
EMMA検査、ALICE検査の料金
- ERA単独(当院おかかりの方)
- 132,000円(税込)
- ERA単独(当院以外の方)
- 159,500円(税込)
- ERA+EMMA+ALICE
- 165,000円(税込)
- EMMA+ALICE
- 66,000円(税込)
- ALICE単独
- 49,500円(税込)
※上記にエコー検査代、薬剤費、再診料等が別途かかります。正確な検査を行うために2周期目の検査を実施する場合があります。その際も同一料金となります。